CEO MESSAGECEOメッセージ

企業成長と社会の持続可能性を高める貢献の両輪で、
未来永劫にわたり「なくてはならない」企業へ

当社グループはデジタルを主業に、取引先である出版社・電子書店の間に立って確実かつ迅速に業務を遂行し、電子書籍などのデジタルコンテンツの流通を支える専門家として文化の発展に寄与することを目指しています。

私たちが掲げるミッションは「著作物の健全なる創造サイクルの実現」です。英知と文化の結集である著作物が生み出され、多くの人々の手に届く豊かな社会のサイクルを持続可能にする役割を果たし続けることが、私たちの存在意義だと捉えてきました。

私たちはいつまでもこの役割を果たす存在であるために、コンテンツビジネスを支える必要不可欠な企業としての成長、そしてコンテンツ業界に限らない社会全体の持続可能性を高めるための貢献という両軸を重視したサステナビリティへの取り組みを進めています。

日本の将来人口推計に目を向けると、政府調査では総人口に加え、生産年齢人口(15~64歳)が7,395万人(2023年時点)から2050年には5,540万人と約75%まで減り、その後も減少を続けることが推計されています。労働力不足や国内コンテンツ市場の縮小が見込まれ、出版業界において将来当社グループが果たす役割の規模も縮小してしまう懸念があります。

こうした認識のもと、社会全体と当社グループ双方の持続的な成長を図るため、サステナビリティ推進委員会が主体となり、対処すべき10テーマの経営上の重要課題(マテリアリティ)を特定しました。コンテンツ業界に貢献する「著作物の創出サイクルと価値の最大化」、そして「情報セキュリティ強化」「ガバナンス強化」など上場企業に求められる体制整備に取り組むテーマに加え、コンテンツを享受する人々が暮らす基盤である地域社会を活性化し、持続可能な社会を実現すべく特定したのが「地域のエンパワーメント」です。

都市と地方の関係を見ると、食料自給率は都市部で低く、地方で高い傾向にあり、都市部で消費する食料は地方での生産に頼っている側面があります。一方、様々なエンターテイメントや流行、そして本などのコンテンツのように、都市部を中心に作られたものが地方にも広く行き届くことで、消費のサイクルが成立している側面も存在します。都会と地方は相互に支え合う関係にあり、私たちはこのバランスが崩れることのない未来を築いていきたいと考えています。

出版科学研究所の調査では、全国の書店数は2023年度に10,918店となり、この10年のうちに約5,000店も減少しました。出版文化産業振興財団が発表した2024年8月末時点の無書店自治体は27.9%で、全国約半数の自治体で書店が1店舗以下となっています。書店は地域社会に欠かせない文化の発信拠点であり、書店の存続は地域の人口減に歯止めをかける大きな役割を持つファクターだと捉えています。出版業界にとっても、書店は本との偶発的な出会い、そしてコンテンツ消費を生み出す重要な存在です。つまり、出版業界と地方創生は切っても切り離せない関係性を有しているのです。

出版業界の中で、地方創生をけん引する企業はまだ多くありません。当社グループの活動が将来、出版業界や社会に広く影響を与え、多くの人々が地方創生をはじめとした社会貢献に一層取り組んでいくきっかけとなっていくことを目指しています。

「地域のエンパワーメント」において特筆すべき当社グループの取り組みの一つに、2023年にB3リーグに初参入した男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」が挙げられます。出版業界関係者約200名を徳島ガンバロウズの試合にご招待し、当社グループが取り組む地方創生を知っていただく機会も設けています。

スポーツは選手や観客が同じ場所で同じ瞬間の感動を共有し、熱狂することのできる「同期コンテンツ」であり、マンガなどの「非同期コンテンツ」とは異なった魅力を持つエンターテイメントです。拠点とする地域にもたらす熱量や、波及する経済効果のポテンシャルは計り知れません。

プロスポーツ事業は世界的に市場拡大が著しくファンド投資も活発化しており、欧米と比べ小規模な国内市場でもリーグ改革や上場解禁など各競技で様々な取り組みが動き出し、成長の兆しを見せています。

また、当社グループは「徳島イノベーションベース」において地域の起業家支援を手掛け、そのイノベーションベース(IB)の仕組みを全国に波及させる「xIB JAPAN」の活動を推進し、徳島を含め現在15府県にまで広がっている状況です。

地方創生は日本社会の本質的な課題の解決を目指す、一朝一夕には成しえない試みです。複雑に絡み合う課題を紐解き、長い歳月をかけて継続することが肝要であり、企業も同様にこの課題と長期的に向き合い続ける必要があります。

当社代表である私は、個人としても地方創生に取り組んできた一人です。企業が地方創生に取り組むことは、その企業にとって将来の新しい事業を形作るきっかけとなる可能性も秘めています。そして特に、生まれて日の浅い企業においては、自社の姿勢を伝えるブランディングに繋がり、将来的には物事を前に進める推進力を与えてくれる可能性があることを、これまでの経験から強く感じてきました。

当社グループが手がける地方創生の活動が将来、より多くの方に共感され、出版業界をはじめとする全国に波及していくことによって、地域経済の活性化、生産年齢人口の増加、そして将来のコンテンツ市場の拡大に寄与する取り組みとして実を結ぶことを目指します。

すべては当社グループが未来永劫にわたり、ひとりでも多くの人が多くのコンテンツを楽しむことができるサイクルを持続可能にする役割を果たし続けるための取り組みです。コンテンツ消費が持続的に拡大する未来を追求することは、当社グループの事業成長にも直結します。幅広いステークホルダーの皆様と手を取り合って業界に貢献する、なくてはならない企業として存続できるよう邁進してまいりますので、末永いご理解とご支援をお願い申し上げます。

株式会社メディアドゥ
代表取締役社長 CEO

藤田恭嗣