CLIMATE CHANGE ADAPTATION気候変動対応

TCFD提言※1への賛同表明

当社は2024年6月にTCFD提言への賛同を表明し、TCFDコンソーシアム※2に加入するとともに、2024年8月よりTCFDのフレームワークに基づいた情報開示を開始しました。今後も内容の充実に取り組んでまいります。

TCFD TCFD Consortium

1.ガバナンス

気候変動問題への対応は、マテリアリティ「自然資本の保護と最適活用」において、サステナビリティ推進委員会を中心に推進を図ります。サステナビリティ推進体制については、こちらのページをご参照ください。

TCFD提言に沿った情報開示にあたっては、サステナビリティ推進委員会のもと、マテリアリティ「自然資本の保護と最適活用」の担当執行役員率いるプロジェクトチームを発足し、実態に関する情報収集及び今後の取組みに向けた議論を実施しております。

また、当社では、ESGと一体化した経営を推進するため、業務執行取締役の株式報酬に係る個別配分については持続的成長及び中長期的な企業価値向上の観点から、ESGに関する項目を含む定性項目に対する個人別の貢献度合いを総合的に勘案することとしています。取締役報酬に関する詳細は、コーポレート・ガバナンス「役員報酬」をご参照ください。

2.戦略

2024年2月期は、当社及び拠点を同一にする子会社3社並びに(株)メディアドゥテック徳島におけるエネルギー使用量、当社及び全連結子会社の拠点情報をもとに、気候変動によって生じる事業環境の変化を想定し、当社グループや事業への影響(リスクと機会)を把握するため、シナリオ分析を実施しました。シナリオ分析にあたっては、パリ協定の目標である1.5℃シナリオと、対策をせず温暖化が進行する4℃シナリオを中心に財務影響度を評価しました。その結果、電子書籍市場成長による大きな事業機会があり得る反面、運営及び調達コストの増加、自然災害の激甚化による損失等の財務影響を算出しました。

参照した気候変動シナリオと評価軸※3

移行リスク
脱炭素経済への移行に伴うリスク
物理リスク
気候変動によって生じる物理的なリスク
想定されるシナリオ 評価軸
1.5℃
シナリオ
IEA WEO 2019 (SDS)
IEA WEO 2023 (APS・NZE)
IPCC AR5 (RCP2.6) 現在よりも厳しい気候変動対策が取られることで、産業革命以前に比べて2100年時点の地球の平均気温の上昇が1.5~2℃に抑えられるシナリオ

時間軸

  • 短期:財務諸表報告期間
  • 中期:~5年
  • 長期:5年以上

影響度

  • 大:営業利益5%以上(金額1億円~)
  • 中:営業利益1%以上5%未満(金額2,000万円~1億円)
  • 小:営業利益1%未満(金額2,000万円未満)
4℃
シナリオ
IEA WEO 2023 (STEPS) IPCC AR5 (RCP8.5) 現在の温暖化対策を上回る政策が取られない場合に、産業革命以前に比べて2100年時点の地球の平均気温が約4℃上昇するシナリオ

事業活動へのリスクと機会

リスクの種類 具体例 シナリオ 時間軸 影響度 リスク回避/低減に向けた
当社グループの取り組み
1.5℃ 4℃
移行
リスク
政策・
規制
  • 炭素税や再エネ政策の導入:事業運営コストの増加

(-310万円)

(+40万円)
中期~長期
  • 政策動向の把握
市場
  • 木材価格の高騰:紙製品の調達コスト増加
短期~長期
  • 調達先の定期的な見直し
  • 紙書籍のニーズ把握と適正な発行部数管理及び業務効率向上によるコストコントロール
  • 電子書籍への誘導
  • 原油価格の高騰:事業運営コストの増加
長期
  • 輸送関連費用のモニタリングと削減目標の設定
物理
リスク
物理
(急性)
  • 森林火災の増加:木材資源減少による紙媒体の原材料コスト増加
中期~長期
  • 調達先の定期的な見直し
  • 紙書籍のニーズ把握と適正な発行部数管理及び業務効率向上によるコストコントロール
  • 電子書籍への誘導
  • 自然災害の増加:拠点の被災による人的・物理的損失、営業停止

(-121万円)

(-331万円)
中期~長期
  • BCP強化
物理
(慢性)
  • 平均気温の上昇:空調コストの増加

(-10万円)

(-10万円)
中期~長期
  • 光熱費のモニタリングと削減目標の設定
  • 遮熱対策などによる冷房負荷の低減
機会の種類 具体例 シナリオ 時間軸 影響度 機会獲得に向けた
当社グループの取り組み
1.5℃ 4℃
移行
機会
技術 DXの進展:低炭素に資するデジタルコンテンツの需要増 長期
  • 開発システムの省電力化、効率化
  • 今後の需要増に対応できる強固なシステム開発
  • 環境配慮のアピールによるブランド価値の向上
市場 サステナブル製品需要の増加:ペーパーレスコンテンツの需要増 短期~長期
物理
機会
物理
(慢性)
平均気温の上昇:巣ごもり需要の拡大による電子書籍の需要増 中期~長期
  • 今後の需要増に対応できる強固なシステム開発
  • 環境配慮のアピールによるブランド価値の向上

3.リスク管理

当社では、リスク発生の抑制及び会社損失の最小化を図ることを目的として「リスク管理規程」を制定しています。それに基づき、気候変動問題を含めた持続的成長や事業活動の遂行に影響を与える可能性のあるリスクの抽出、評価及び対策について、サステナビリティ推進委員会が主体となって全社リスクに関する検討並びに評価を行うとともに、各リスクに対するオーナーを指名することで対応の実効性の担保に努めています。またリスクアセスメント結果については、取締役会に報告することとし、取締役会は、経営目線でのリスク間の相対的な関連性を検討・考慮したうえで、対処すべきリスクの優先順位を決定し、対策実施の指示をすることとしています。
リスクマネジメントに関する詳細はこちらをご参照ください。

4.指標と目標

当社グループは、事業活動における温室効果ガスの排出量削減に取り組むべく、GHG排出量(Scope1・2)を算定し、開示しております。引き続き子会社およびScope3を含めた算定範囲の拡充を進めるとともに、中長期目標の達成に向けた具体的な取組みを検討してまいります。

GHG排出量削減の中長期目標

中長期目標として、当社グループは以下の目標を設定しております。

メディアドゥグループ GHG排出量の削減目標(Scope1・2)

2030年度 50%削減(2023年度比)
2050年度 実質排出ゼロ(ネットゼロ)

中長期目標の達成にあたっては、サプライヤーへのエンゲージメントが必要であることを認識しており、具体的な取組みと体制構築を検討してまいります。まずはScope3を含む総排出量の把握及び開示を進めてまいります。

GHG排出量の実績

項目 カテゴリ名 排出量(t-CO2)
22/2期 23/2期 24/2期 25/2期
Scope1 自社での燃料の使用等における直接的な排出 5.5 5.0 4.2 4.0
Scope2(ロケーション基準) 購入した電気等のエネルギーに伴う間接的な排出 132.9 145.5 169.2 158.1
Scope2(マーケット基準) 135.9 152.9 153.6 162.5
Scope1+Scope2
(ロケーション基準)
138.3 150.5 173.4 162.1
Scope1+Scope2
(マーケット基準)
141.4 157.9 157.8 166.4

ロケーション基準:対象拠点が属する地域の平均的な排出係数を用いた算定値
マーケット基準:契約電力プランや再生可能エネルギー証書などを考慮した算定値

その他の数値については、ESGハイライトをご参照ください。

  1. 気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
    2017年に最終報告書を公表し、企業などに対して気候変動関連リスク及び機会について「ガバナンス」・「戦略」・「リスクマネジメント」・「指標と目標」の4項目の開示を推奨しています。
  2. 2019年5月、TCFD 提言へ賛同する企業や金融機関等が一体となって取組を推進し、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取組について議論する場として設立されました。2023年10月のTCFD解散後は、本コンソーシアムに入会することでTCFD提言への賛同意思を表明することが可能となりました。
  3. ()は算出した財務影響額