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メディアドゥが感じているスポーツ事業の魅力 #03 クラブ経営と「B.革新」

こんにちは!メディカム編集部 経営企画チームです。
メディアドゥは、プロスポーツ事業「徳島ガンバロウズ」の魅力と企業価値向上の道筋をお伝えするべく、情報媒体『メディアドゥが感じているスポーツ事業の魅力』(全7回)を発刊しています。これまで徳島ガンバロウズへの応援の声をいただく一方、社内外の様々なステークホルダーの皆様から多くの疑問の声もいただいてきました。この問いに対し、誠実に分かりやすくお答えする目的で2024年11月より開始した連載の第3回は、「クラブ経営と『B.革新』」がテーマです。

メディアドゥが感じているスポーツ事業の魅力 バックナンバー

VOL.01 メディアドゥはなぜスポーツ事業に乗り出したのか

https://mediado.jp/medicome/challenge/7696/

VOL.02 北米スポーツリーグの急拡大に見る方程式

https://mediado.jp/medicome/challenge/7988/

VOL.03 クラブ経営と「B.革新」

はじめに

メディアドゥグループの徳島ガンバロウズが2023年に参入した男子プロバスケットボールのBリーグは、将来構想「B.革新」を掲げて新たな進化を遂げようとしています。今回は「クラブ経営とB.革新」をテーマとして、B.革新からメディアドゥが捉えた価値を考察し、徳島ガンバロウズが地域で果たそうとする役割を語ります。

バスケは「体育」から「スポーツビジネス」へ

メディアドゥグループは徳島ガンバロウズにおいて、単年度での勝利を追求することに留まらず、地域を巻き込み、経営の力で先を見据えたクラブ運営を続けていくことを目指して邁進しています。第1回、第2回で考察してきたように、過去に「お金儲けを追求するべきではない」という「体育」の延長の考えで捉えられた日本のスポーツが、利益を生み出しながら成長する「スポーツビジネス」へ変化を遂げようとしていることに、私たちは大きな魅力を感じたからです。

私たちが参入した日本の男子プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」は二つの国内リーグの統合で2016年に生まれ、右肩上がりで収益規模を拡大してきました。2023-24シーズンのクラブ(B1・B2)全体の営業収入は合計552億円(前年比+33%)で、初年度から7年で約3.7倍の成長を遂げ、営業利益が黒字に。一方、世界最高峰のリーグである北米「NBA」は2022-23シーズン収益が約109億ドル(約1.5兆円)で、Bリーグ 2023-24シーズンのリーグ・クラブ合計収入632億円と比べても約24倍と驚異的な差を付けています。

Bリーグが2021年に発表した将来構想「B.革新」は、目標の一つに「NBAに次ぐ事業規模を誇るリーグへ成長すること」が掲げられました。そこから私たちは、競技レベルやエンターテイメント性を追求するとともに、「本物」のエンターテイメントを日本全国の地方へ届けようとする意志を感じ取っています。それには音響や設備が充実した施設はもちろん、その場に集まる人々の応援や熱狂が必要です。これらを実現するために、ビジネスとしてクラブ運営を成立させる「クラブの経営力」を発揮し続けることが重要だと私たちは考えています。

※B.革新:

2026年から単年の競技成績で決まる昇降格制度を廃止し、従来と異なりクラブの経営状況を基準に参入リーグを審査する構造へ変更する改革。B1からB3のリーグが「B.LEAGUE PREMIER」「B.LEAGUE ONE」「B.LEAGUE NEXT」の3リーグに切り替わる。


< B.LEAGUE PREMIERの主な参入条件 >

平均入場者数 4,000人以上
売上 12億円以上
ホームアリーナ整備 収容人数5,000人以上

地域に根付くクラブ経営の責任

メディアドゥは徳島ガンバロウズを立ち上げて2023-24シーズンにBリーグへ参入し、18チーム中17位程度と目された下馬評を裏切り、最終順位ではB2昇格目前の4位に輝きました。参入初年度のホーム戦の座席占有率(座席が埋まった割合)は、シーズン前半12試合平均57%に対し、後半14試合は約1.5倍の84%まで拡大し、地域からの注目度が一気に高まった初年度でした。しかし2年目の今シーズンは9連敗を喫するなど、選手たちがいかに努力し、ファンがいかに熱心に声援を送ろうと、暗闇を脱せない試合が続く時期もありました。「応援され続ける」と理想を掲げても、成績が振るわなければ入場者数も減少し、少なからず経営にも影響を及ぼすことを如実に感じました。

徳島ガンバロウズホーム戦会場で声援を送る観客 (C)TOKUSHIMA GAMBAROUS

それでも私たちは、地域に対する責任の大きさを自覚しています。この責任を全うするべく、経営の努力で地域全体に熱狂をもたらし、地域の多様な立場の人々と協力関係を深め、名実ともに「いつまでも地域に存在するクラブ」へと成長することにこだわり抜いていく覚悟を決めています。

2年間の経験で捉えた、B革新の本質

筆者自身も徳島ガンバロウズのクラブ初年度の立ち上げに携わり、地域の盛り上がりの萌芽を体感した一人です。多くの企業や団体、市民の方々と連携し、経営層や現場社員、選手たちの近くで汗をかき、2023年10月、現在徳島県で最大級の会場である3,000名以上収容の「アスティとくしま」で開幕戦を迎えました。

手に汗を握る試合展開、そして会場を揺らすほどの声援に、スポーツというエンターテイメントの力を実感しました。闘志を燃やす選手たちの姿。固唾を呑んで試合を見守り、懸命に選手を後押しするファンの姿。これほど多くの人の心が一つになったと感じる瞬間を経験したことはありませんでした。しかし、B.革新によって全国にアリーナが次々と誕生する中、徳島県は全体を見ればまだ遅れを取っている状況にあります。この熱狂を一過性のもので終わらせてはいけない。なんとしてもアリーナを徳島県に作らなければならない。そう強く感じました。

アリーナの建設は、クラブが持続的な事業成長を実現した先にある一つの到達点です。エンターテイメントをより高いレベルで提供できるようになり、その経済効果は地域の人々がクラブに向ける目線の本気度を高めることにも波及します。そしてより多くの人が真剣にクラブを応援し、主体的に地域を盛り上げようとするムーブメントが生まれていくはずです。だからこそ、徳島の地方創生を実現する上で、私たちが運営する徳島ガンバロウズは大きな責任を負っていると考えています。

2026年に迫るB.革新のリーグ構造変更を前に経験した2年間から、私たちが感じ取った徳島の地方創生に対する責任を踏まえ、捉えることができたB.革新の本質があります。それは勝敗による昇降格をなくし、「①クラブ経営の持続可能性」「②地域全体の熱狂」「③地域全体の本気度」の3つの変数をトライアングルのような相乗効果で高める「地方創生リーグ」へ変容させるということです。

困難な道のりでも、長期的な未来を見据える

しかし、B.革新の制度設計には、B.LEAGUE PREMIERを目指す上でたくさんの困難な条件が待ち受けています。条件の一つ「売上12億円以上」を2023-24シーズンで達成したクラブはB1が多くを占め、B2(14クラブ)では3クラブのみ。B3に所属するクラブでは、一朝一夕に目指すことなどできない規模です。これらの条件を満たしても、必ず地域の未来が明るくなるという保証はありません。それでも私たちは、クラブと地域が互いに発展するというB.革新の描く「地方創生リーグ」の未来も理解した上で、前へ進もうとしています。

長期的に成長するクラブ経営を続けるために、クラブは何よりも未来を担う若い世代の可能性を支える戦略が不可欠です。これは長くバスケを愛してくれる顧客を増やすというビジネスの観点でも捉えられますが、地域にプロクラブが提供できる重要な価値だと私たちは考えています。バスケに真剣に熱中する若い世代、とりわけ子どもたちのパワーを信じ、それを支えることが、結果的に彼らの努力を応援する家族や地域全体を熱狂に巻き込んでいくことにつながります。

メディアドゥは今年2月、U12カテゴリーの三つの徳島県大会のうち一つである新人戦大会で冠スポンサーをさせていただき、「第1回メディアドゥカップ 兼第10回徳島県ミニバスケットボール新人戦大会」を徳島県バスケットボール協会と主催しました。そして参加した全73クラブに、徳島ガンバロウズとメディアドゥのロゴ入り試合球を寄贈しています。

小学生たちが勝利を追い求めてボールを追いかける姿、大きな声援を送る保護者の姿を目の当たりにした私たちは、プロの選手やファンだけでなく、バスケに勤しむ子どもやその保護者、地域の全ての人々が憧れを持って楽しめる価値を持つ「エンターテイメント」へ徳島のプロバスケットボールを昇華させ、地域全体を盛り上げる存在になることを目指したいと強く感じたのです。

地域だからこそのアプローチ

徳島県の人口は2020年の72万人から5年間で68万人に減少し、2050年には48万人まで落ち込むと推計されています。全国的に見てもさらなる人口減少が予測されている地域だからこそ、人口が集中し無数のスポーツやエンターテイメントが発達した都市部よりも、プロスポーツチームがもたらす価値や、経営のコミットメントに応じた立ち上がりの速さが際立つと私たちは考えています。

都市部よりも小規模なマーケットである地方でこそ、成せるアプローチがあるのです。私たちは地域を代表する様々な地元企業との協力関係を深め、一丸となってクラブ運営を続けてきました。運営会社は株式の2/3をメディアドゥが、1/3を徳島県がルーツの大企業・大塚製薬、県内最大の年商を誇る日亜化学工業、徳島を代表するメディア2社の徳島新聞社、四国放送、そして第一地銀の阿波銀行、第二地銀の徳島大正銀行など徳島県にゆかりのある22社の皆様が出資して共に設立し、計23社が一丸となって徳島を盛り上げる座組を構築しています。

中でも特筆すべきは、世帯普及率が全国トップクラスの徳島新聞社などの地元メディアとの協力です。2023-24シーズンの213日間中、57%にあたる122日の新聞紙面に徳島ガンバロウズの話題が掲載されました(メディアドゥ調べ)。現在の2024-25シーズンで平均1,526人(2025年3月9日時点)と、前シーズンの1,297人を大きく上回る入場者数を記録しているホーム戦の試合会場では、高齢のファンの方々も多く目につきます。これは地域の人々に広く受け入れられる地元メディアでの露出が、リーグ参入1年目から強力な連携で最大化されたことが有効に働いていると考えています。

このように一社単体ではなく、地域全体の企業や団体、関係者を巻き込み協力し合う関係を築き上げることが、私たちの「地方創生リーグ」におけるプロスポーツクラブのあり方なのです。

私たちが得てきた地域の力

メディアドゥ代表の藤田は創業期から29年間、地元の徳島県木頭村(現・那賀町木頭地区)の人々の長きにわたる努力で生み出された“世界一のゆず”と言われる名産品「木頭ゆず」を生家である自宅の畑で収穫し、故郷や家族の近況を伝える手紙を添えて贈り続けています。これが取引先の方々に「メディアドゥの藤田」という人物への理解を促進し、次第に信頼関係を構築する一助となってきました。その中で社員たちの努力を通じ実績を積み上げてきた結果として、電子書籍流通事業では2,200社超の出版社、150店超の電子書店と取引するポジションを築き上げるに至っています。メディアドゥは常に地域と共にあり、地域の力によって成長し続けてきた企業なのです。

世界一のゆずと言われる「木頭ゆず」

そしてメディアドゥは2020年から、徳島の地元メディア・金融機関と共同で、地域を盛り上げる地元起業家たちが成長するネットワークを構築する「徳島イノベーションベース」(TIB)を手掛けています。地域を活性化し、地域の未来を盛り上げるためには、アントレプレナーシップを持つ起業家が成長することが礎になると考えたためです。

この徳島から始まった取組みに対し、他の地域に出自を持つ起業家たちが呼応し、現在は徳島を含む15府県で「イノベーションベース」(IB)のネットワークが広がりました。さらに全国のIBを支援する「xIB JAPAN」を2023年に立ち上げており、IBは2025年度に計20府県まで拡大する見込みで、全国的なムーブメントへと進化しています。

県内起業家や地元メディア・金融機関の代表らが参集した、徳島イノベーションベース年次総会

「地方創生リーグ」への挑戦

TIBも徳島ガンバロウズと同様に、徳島を代表するメディアや金融機関、大学、行政など、地域の課題が集まる関係機関との強力な連携で、起業家のネットワークが地域にもたらす経済効果などを最大化することを目指しています。一丸となって地域の課題解決に挑むこの座組みは、全国の地域で実現することができるものだと私たちは考えています。プロスポーツにおいても地域だからこそ実現できるアプローチがあり、私たちが手掛ける徳島ガンバロウズのクラブ運営にもそれが表れています。

「B.革新」は制度として完全無欠というわけではなく、今後の議論や実際の運用を経て様々な修正を繰り返し、数年をかけて次第に理想へ近づいていくものだと考えています。しかし地方の力を受け取りながら成長し続けてきたメディアドゥグループの経営、そしてBリーグの目指す「地方創生リーグへの変容」を重なりを持って捉えられた私たちは、経営とスポーツエンターテイメントの力によって、地域の人々と共に、地域に新たな求心力を生み出す挑戦をやり遂げようとしているのです。


次回お知らせ

次回以降は、徳島ガンバロウズがこれまでに地域にどのような影響をもたらし、今後どのような道筋で成長を描こうとしているのかなどを、様々な観点から語っていきます。

読了後アンケートご回答のお願い(3分程度)
今後の制作の参考にご意見をいただきたく、下記URLより回答のご協力をお願いいたします。
https://forms.gle/nHze6EsBtwoJ4xH69

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