こんにちは!メディカム編集部 経営企画チームです。
メディアドゥは、当社が取り組むプロスポーツ事業「徳島ガンバロウズ」の魅力と企業価値向上の道筋をお伝えするべく、情報媒体『メディアドゥが感じているスポーツ事業の魅力』(全7回・月刊)の発刊を開始いたしました。
これまで、徳島ガンバロウズへの応援の声をいただく一方、社内外の様々なステークホルダーの皆様から多くの疑問の声もいただいています。当社はこの問いに対し、誠実に分かりやすくお伝えする目的で、本媒体の発刊を開始いたしました。第1回のテーマは「メディアドゥはなぜスポーツ事業に乗り出したのか」。スポーツ事業を「ビジネス」として捉える視点、研究する中で発見したポテンシャルの大きさ、そこから垣間見える無数の可能性など、この発刊物を通じて、当社のプロスポーツ事業についてご説明してまいります。
▶PDF版:『メディアドゥが感じているスポーツ事業の魅力 VOL.01』
VOL.01 メディアドゥはなぜスポーツ事業に参入したのか
はじめに
メディアドゥは2022年、プロバスケットボールチーム「徳島ガンバロウズ」をゼロから立ち上げ、2023年にB3リーグへ参入しました。運営会社は株式の2/3をメディアドゥが、1/3を徳島県がルーツの大企業・大塚製薬、県内最大の年商を誇る日亜化学工業、徳島を代表するメディア2社の徳島新聞社、四国放送、そして第一地銀の阿波銀行、第二地銀の徳島大正銀行など徳島県にゆかりのある22社の皆様が出資して共に設立し、計23社が一丸となって徳島を盛り上げる座組を構築しています。上場企業がスポーツチームを保有する場合100%子会社が多く、Bリーグでこれほど多数の企業が協力して運営会社を設立する事例は類を見ません。
この座組のもと、徳島ガンバロウズは当初「18チーム中17位程度では」とされた評価を覆し、シーズン終盤のプレーオフへ。リーグ優勝した福井ブローウィンズとの準決勝第2試合、残り1分までリードを守り健闘した末、初年度で最終4位となり、県内外の多くの人々に驚きと感動を与えました。ホーム戦の座席占有率(座席が埋まった割合)は、2023-24シーズン前半12試合平均57%に対し、後半14試合は約1.5倍の84%まで拡大。後半14試合の57%で立ち見客が出るなど、1年前は何もなかったところから徳島の3万人を超える人々を熱中させ、心を掴むチームへと成長を遂げています。
このスポーツ事業への参入について、社内外の方々から多くの応援の声をいただく一方、「なぜメディアドゥがスポーツ事業に参入するのか」と疑問の声も多く寄せられてきました。私たち経営企画部は、この問いに誠実に向き合い、同じ疑問を持つ機関投資家など社内外のステークホルダーの皆様に、意図や戦略を分かりやすく翻訳して伝える責務があります。日ごろの決算説明会や取材、IR・PRでの情報発信では伝えきれない様々な視点から、メディアドゥがスポーツ事業に見出した魅力、そして企業成長へ繋げる道筋を示すため、この発刊物を「メディアドゥが感じているスポーツ事業の魅力」と名づけました。第1回のテーマは「メディアドゥはなぜスポーツ事業に乗り出したのか」です。
半導体産業に匹敵するスポーツビジネスのポテンシャル
世界のスポーツ市場規模は2023年で4,849億ドル(約74兆円)に上り、わずか10年後の2033年には1.8倍にあたる8,626億ドル(約132兆円)へ成長することが見込まれています※1。日本ではあまり知られていないものの、昨年時点で半導体やスマートフォンなどの産業に匹敵する規模で、スポーツは欧米圏を中心に、世界的に見ても非常に大規模な「ビジネス」へと巨大化しているのです。メディアドゥはこのポテンシャルを目の当たりにし、研究を重ね、スタジアム・アリーナ整備などが活発化している日本のスポーツビジネスも、近い将来には欧米のように急速に市場拡大を遂げる可能性があること、そしてスポーツそのものが人々を熱狂させるエンターテイメントコンテンツであることに大きな魅力を感じ、新たに挑戦する分野としてスポーツ事業を選びました。
このマーケットの中で、日本より幅広く多様なビジネスが先行している欧米の事例を分析し学ぶことで、日本国内にその事例が持ち込まれるとき、メディアドゥはビジネスチャンスを先取りし、その一つの分野において価値を創出するリーダーを目指すことも不可能ではないと考えました。
研究する中で、非常に興味深い事例にたどり着きました。それは世界177カ国で事業展開する1987年設立のオーストリアの飲料メーカー「レッドブル」です。2023年の飲料販売数は121億3800万本、グループ売上高は105億5400万ユーロ(1兆7485億円)に上ります※2。中でも特筆すべきは営業利益率で、国内飲料会社が1桁台の一方、レッドブルは2018年時点で25.8%※3とされます。
他を圧倒する利益率の高さを実現してきた背景に、「スポーツビジネスで、企業の唯一無二のストーリーを人々の心に強烈に印象付ける」という重要な戦略があることが分かりました。同社は1988年以降、数々のエクストリームスポーツ開催を手掛け、プロスポーツチーム買収にも着手。世界最高峰のモータースポーツ「フォーミュラ1」(F1)では、2005年からチーム優勝6回、個人優勝7回を達成してきた「Oracle Red BullRacing」の運営会社などを傘下に抱えています。自動車メーカーがチームを運営してきたF1で、無関係に見える飲料会社のオーナーとしての参入は異例でした。しかしこれは強かな戦略に裏打ちされた、スポーツビジネスの大きなイノベーションでした。
レッドブルは広告宣伝を目的に“スポンサー”となるのではなく、運営するチームの卓越したパフォーマンスで「限界に挑戦して戦う」という企業ストーリーを伝えています。これにより商品を認知する「消費者」を超え、自社の理念に共感やリスペクトを抱く「ファン」獲得を目指しました。本来はコストとなる広告宣伝費をその真逆である利益に変え、年間400万人以上が現地、約15億人がテレビで観戦※4するF1を、自社のストーリーを知ってもらう強烈な媒体へと変貌させたのです。レッドブルは各スポーツでリスクを取り主体的にチームを運営することで、人々の熱狂を生み、ファンの獲得と本業の利益貢献に繋げるという、他とは全く異なるスポーツへの携わり方を生み出しました。そして今年9月には日本でも、サッカーJ3の大宮アルディージャを買収し、Jリーグで外資系が単独の運営権を持つ初の事例となるなど、レッドブルはスポーツビジネスにイノベーションを起こす代表的な企業として、現在も存在感を発揮し続けています。
スポーツは「体育」か、「ビジネス」か
日本国内でのスポーツは、研鑽や努力を重んじる教育の一環、つまり「体育」のような観点で捉えられやすく「スポーツにお金儲けを追求するべきではない」とする風潮が根強く残ってきました。そこから派生してプロスポーツにおいても、国内では欧米と異なり、社会的に熱血や根性を重視する美学として、体育の考え方の延長で応援する傾向の強さを私たちは感じています。しかし、世界のスポーツ市場の成長のポテンシャルや、レッドブルが企業成長の鍵としてスポーツチーム運営を活用してきた事例から、メディアドゥは企業成長を支える重要な「ビジネス」として、プロスポーツ参入を決断しました。
本来プロスポーツは体育を超えた人々を熱狂させるエンターテイメントであり、これをビジネスとするのは当然の帰結でした。レッドブルはチーム運営で企業ストーリーを体現し、「消費者」を「熱狂的なファン」へ変貌させました。プロスポーツの本質をビジネスの拡大にフル活用するという誰もが見過ごしてきた発見をし、企業のスポーツに対する向き合い方にイノベーションを起こしたのです。
メディアドゥは実際にスポーツビジネスの業界に参入し、想定通り、自社の社会への提供価値を広げる「ビジネス」としての可能性の大きさを確信しました。そして選手とファンの皆様の距離を近づけ、熱狂を広げ後押しするためのテクノロジーの活用を模索し、今年8月29日に開催された徳島ガンバロウズのイベントでは、ブロックチェーン技術によって選手のオリジナル動画付きデジタル入場チケットを発行する実験も行いました。今後、運営会社の一つにとどまることなく、スポーツを楽しさや熱狂を与えて求心力を生む「エンターテイメントビジネス」とし、スポーツ業界や地域の人々など多くのステークホルダーを一層巻き込む事業へと領域を広げる、戦略的な挑戦に打って出ることを見据えています。
メディアドゥが感じているスポーツ事業の魅力
私たちが日本の「体育」を地方から「スポーツエンターテイメント」へと昇華するイノベーションを起こす上では、行政・企業との連携を一層深め、地域を熱狂の輪に巻き込んでいくことが必要です。そして今、徳島ガンバロウズの経営の持続可能性を向上させ、必ず早期の黒字化を達成できるという実感を得ています。こうした連携や熱狂の輪、経営の基盤を固めることで、私たちはスポーツ事業をメディアドゥに欠かせない収益事業に成長させるとともに、新たなビジネスモデルを生み出し、更なる熱狂を巻き起こす未来を実現していきます。
メディアドゥは30年の歴史の中で、イノベーションを起こす挑戦をすること、そして独自の価値を発揮し、マーケットで必要とされ続ける強固なポジションを築き上げることをアイデンティティとして、5回の事業転換を行ってきました。私たちが新たに参入したスポーツ事業は、「熱狂をもたらすエンターテイメント」であり、無数の可能性を秘めた新しいビジネスへの挑戦なのです。
次号お知らせ
メディアドゥはスポーツ事業において、実際にどのようなイノベーションを、どのようにして成し遂げようとしているのでしょうか。次号からは、バスケットボールへの参入を決断するまでの経緯、そして参入以前から地域で築き上げてきた盤石な座組や戦略的設計を振り返りながら、現状や将来像、そして実現に向けた具体的な道筋を明らかにしていきます。
※1 The Business Research Company 「Sports Global Market Opportunities and Strategies to 2033」
※2 出所:レッドブル公式サイト
※3 出所:@DIME「レッドブルはなぜ、世界的な企業へと成長を遂げたのか?」(2022年12月11日)
※4 出所:formula1公式発表「Formula1 announces TV, race attendance and digital audience figures for 2021」(2022年2月)より、コロナ禍前の現地観戦者数、2021年の全世界テレビ視聴者数を参照
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