こんにちは!メディカム編集部 経営企画チームです。
2025年9月、メディアドゥは「SC事業 1DAYカンファレンス 第ゼロ回」と題したイベントを開催いたしました。「SC(Sustainability Creation)事業」は、メディアドゥが地域社会の課題に向き合い、行政・金融機関・メディアといった地域の主要機関と協働して新しい価値を共に創出し、最大化することを目指す事業です。
イベントには官公庁、行政、大学、金融機関、メディア、その他企業から現地・オンラインを合わせて延べ134名の方々にご参加いただき、様々なステークホルダーとともに取り組む当社のSC事業の可能性について深く掘り下げる機会となりました。
イベント詳細はこちら:https://mediado.jp/corporate/10368/
プログラムの1つであるパネルディスカッション「SC事業推進の舞台裏」では、当社代表取締役社長 CEO 藤田恭嗣をモデレーターに、実際にSC事業を担うメンバーが対談。同時多発的に進む複数のプロジェクトを、13名の社長室チームがどのように支えているのか。日々の業務に感じる「やりがい」と成長の軌跡を率直に語りました。
地域との信頼構築の重要性、そして「主語を自分から会社、そして地域に変える」意識変革まで。上場企業として本気で取り組むSC事業の現場で、社員たちが何を感じ、どう成長しているのか。社長室メンバーのリアルをお伝えします。
SC事業を推進する社長室の業務と働き方
藤田 現在メディアドゥのSC事業では、13から14個のプロジェクトを「同時多発的」に進めています。今後1、2年以内にも、さらに10個を立ち上げる予定です。当然、私1人で進めるのは不可能ですので、社長室のメンバーがサポートしてくれています。
今回のパネリストがそのメンバーです。社長室 室長で執行役員の原真由さん、新卒入社9年目の山澤沙也加さん、今年4月にNHKからメディアドゥに転職してきた橋本剛さんです。
少数で複数事業を進める事業推進の業務はどうでしょうか?まずは原さんにお聞きします。
原 大変の一言につきます。私はちょうど5年前の2020年9月1日に入社しました。コロナの影響もあり、この5年間は、世の中の価値観や環境が大きく変化した期間でもありました。その中でも社長室での業務は、正解がないことを進めていくことの連続で、入社当初はどこに向かっているのかすらもわからなかったほどです。同時多発的という意味では、本当に毎日記憶をなくして、毎日生まれ変わっているような感覚です。
藤田 私が考えたアイデアを原さんに伝えると、たった1日で提案資料にまで仕上げてくれるんです。パワーポイントで何十枚もです。発想を人に伝えるためには、わかりやすくデザインする必要がありますが、それを一瞬で完成させる原さんは本当にすごいと思います。私からいろいろな無茶振りが飛んでくることに関してはいかがですか?
原 大変以外の言葉で表すと、やはり楽しさが大きいです。SC事業でご一緒させていただいているたくさんのステークホルダーの方々がいらっしゃいます。飛んできた無茶振りを理解し、そうした皆さんに無茶に聞こえる提案をして、一度、驚かれるところからプロジェクトが始まりますが、前向きに考えていただき、だんだんと取り組みが熱を帯びていく過程を一緒に体験できるのが楽しいです。資料なども、皆さんに伝え、動いていただくためにはどのような情報をもって、どのように表現したらよいかと考えながら作成しています。
藤田 山澤さんはいかがですか?
山澤 私はもともとエンジニアとしてキャリアをスタートし、その後、エンジニア採用やコーポレート広報を経て、現在の社長室で事業推進をしているという経歴です。社長室では、時には自分が先頭に立って様々なステークホルダーの皆様方と信頼関係を築いて接することができ、とても貴重な機会だと思っています。
藤田 社長室に入って、自分の中で成長したと思うところはありますか?
山澤 当事者意識を持とうという気持ちが非常に高まりました。そして、主語を自分から、メディアドゥや社長室、徳島に置き換えてきたように思います。自分だけを主語にしてしまうと、見える世界のスケールがすごく小さくなってしまいます。主語を会社に置き換え、「このように自分が動いたら、会社のために、徳島のために、地域のためになる」と考えられるようになりました。これは私の人生の中でも、かなり成長したポイントです。
藤田 自分がいかに成長するかといった考え方ではなく、地域のために自分が何ができるかという意識に置き換わったということですね。橋本さんからもお願いします。
橋本 本当に大変だというのが率直な感想です。私は20年間、NHKにいました。記者を経てデスクとしてニュース番組を制作していましたが、現在は当時の1.5倍ほどの密度で働いている感覚です。一日一日を乗り切って、今日もなんとか生き残ったと毎日思っています。仕事の密度、スピード感が大変ですが、そこがやりがいにつながっています。
最も変わったのは、当事者により近い立場で仕事をしていることだと思います。メディアだと、どうしても誰かを取材して伝えるのがメインになります。それ自体はすごく意義とやりがいのあることでしたが、もっと当事者として働きたいと考えメディアドゥに来ました。
藤田 外から見たメディアドゥと中から見るメディアドゥは違いますか?
橋本 直近の2年間は徳島放送局に勤めていたため、「未来コンビニ」などの藤田社長やメディアドゥに関する様々な取り組みについては知っていました。しかし、なぜこんなに奇特なことを行っているのだろうと思っていました。社長が徳島出身なので、地域貢献ということでしているのかな、と。
その地方創生事業に興味を持ち、入社したわけですが、中に入ってみて、びっくりしたのは本気度合いです。中期経営計画において持続的に収益を上げる事業として位置付けられている点もそうですが、社会的に良いことをやるというCSRではなく、しっかりと人を配置し、予算をかけて事業として行っていこうという考えが軸にあります。ここが最も驚いたところでした。
徳島県での留学支援――同時多発で質とスピードを両立
藤田 次は留学支援事業についてです。「トビタテ!留学JAPAN」を来年から徳島県で行っていきます。
これは県予算、民間の寄附金、日本学生支援機構の交付金によって、返済不要の奨学金制度で徳島県の高校生の海外留学をもっと支援していきましょうという取り組みです。
狙いがどこにあるかというと、地方にいると「この地方が」「徳島が」という形で、その土地を悪い文脈で語ってしまいがちです。しかし東京に出てみると、徳島って意外と良いところがあるね、となります。さらに日本を離れ世界に行ってみると、「君のアイデンティティはどこなのか?」と聞かれます。小さいところにいるよりも、大きなところに行ったほうが自分のアイデンティティを客観的に言語化できる。そのような機会を提供できればと思っています。
徳島の人口は推計で現在68万人を下回る規模*1ですが、2021年度のデータで、徳島県から海外留学する高校生が年間で何人いたと思いますか。 なんと2人*2なのです。それを知り、これはまずいと思い、一気にその数を引き上げようとしています。
*1 出所:2025年9月1日現在の徳島県推計人口(https://www.pref.tokushima.lg.jp/statistics/month/jinkou/)
*2 出所:トビタテ!留学JAPAN「データで見る日本の留学」(https://tobitate-mext.jasso.go.jp/about/case/)
徳島県における各界を代表する企業の皆様にお力添えいただき、一緒に徳島の未来を考えていただいています。お声がけした皆さん、ほとんど二つ返事で「やりましょう」と言っていただきました。
実は、日本学生支援機構の交付金を申請する仕組みのことを聞いてから後藤田正純知事のアポまでが8日間。知事にご提案をしてから、県庁や県教育委員会内の調整が終わるまでが約5週間。それと並行して企業訪問を始めて、賛同が10社集まるまで約2ヶ月というスピード感で立ち上がっています。
このように社長室では短期間でプロジェクトを行っていく中で、事業を企画してから開発・推進、マーケティング・広報・ブランディング、営業、運用、財務管理、イベントまで、ゼロイチから1→100までの業務が同時多発的に生じています。
このボリューム・クオリティ・スピードの両立はどのように行っていますか?
山澤 社長室が行っている一つひとつのプロジェクトは点と点ではなく、必ずどこかで線でつながっています。それらをしっかり把握することで、ボリュームがあっても効率的にスピード感を持って対応できることが多くあるように思います。
クオリティについては、藤田社長が「微に入り細を穿つ」という言葉をおっしゃっていて、私はそれを座右の銘としています。細部まで念入りに丁寧に細かく、これがベストではないかというところまで追求することを意識しています。
結果として、地域の皆様、ステークホルダーの皆様から「さすがメディアドゥだね」とお言葉をいただくこともあり、こうした積み重ねで、ボリューム・クオリティ・スピードが両立できていると思います。
藤田 地方創生は一社ではできないため、複数の企業様と連携する必要があります。ただ、誰が主管をするかは重要で、皆さんにお願いをする言い出しっぺである我々は絶対にスケジュール、期日・期限を守らなければなりません。
橋本 私も普段から巻き込んだ側の責任を意識しています。こちらからお願いした以上は、先方よりも私たちが汗をかかなければいけません。期日や資料の正確性、クオリティも、しっかりとしたものにしなければいけないと思っています。
藤田 「さすがメディアドゥだね」というお言葉を返していただけるクオリティを保っていくこと。地域を巻き込んでいく責任がここにあります。それができないと信頼は生まれません。信頼がない限り、地域や地方は絶対に盛り上がっていけないと思っています。
同時多発的に進む難易度の高いプロジェクトを、チームとして行っていくとき、責任者として原さんが気をつけていることは何ですか。
原 2つあります。1つは、明確に自分たちが何のカードを持っているかを把握することです。例えば、私が持っているカードがいくつかあります。社長室のメンバー。電子書籍取次のNo.1であるメディアドゥというポジション。全国のイノベーションベースの中核という本部の役割。藤田社長の存在。関係各社の執行役員、取締役の皆様の存在など。自身がどんな力を持っていて、ステークホルダーの方々をどのように巻き込めばどんな影響を生み出せるのかどうかを見極めること、これにはかなり気をつけています。
もう一点は、お相手の皆様も地域を良くしたい、日本を良くしたいという同じ課題を持ちながら、各界の矜持や責任、お作法など、ここはという要の部分が立場ごとにそれぞれ違います。それらをしっかり押さえた上で気持ちよくコミュニケーションをとることです。メディアドゥの論理だけを振りかざさない。これらがスピードとクオリティを保つために必要な姿勢だと思っています。
藤田 地方創生を本気で行うためには、信頼の積み重ねが欠かせません。一方で、信頼を積み重ねていくと、これまでできなかったことが皆さんのお力添えによってできるようになります。加速度的にスピードを上げつつ、同時多発的にいろいろなことを行っていく。これが我々が行っていかなければならない地方創生のスタイルです。上場会社としてメディアドゥが中期経営計画に掲げた「CSRからSC事業としての転換」も機関投資家や株主の皆様から見られています。重要なのは成長速度と規模。これらをコツコツと積み重ねていくことが上場会社として地方創生事業を行っていく上でのポイントになります。
藤田 我々がこのSC事業を行っていくためには、これからも行政の皆様、官公庁の皆様、いろいろな企業の皆様と連携していかなければなりません。今後も、社長室にどんどんと仲間を迎え、体制を整えていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
おわりに
パネルディスカッションを通じ、改めて見えてきたのは、メディアドゥのSC事業は本格的な事業として位置づけられ、少数精鋭のチームが責任感と当事者意識を持って推進しているということでした。地域との信頼関係を築きながら、スピード感を持って多様なプロジェクトを推進している様子が、メンバーの声からうかがえました。
特に印象的だったのは、「主語を自分から会社、そして地域に変える」という意識変革です。これは真の地方創生に取り組む上で欠かせない視点となります。メディアドゥはSC事業が地域に貢献していく基盤として持続可能な「事業」となるように、これからも取り組んでまいります。