基本的な考え方
当社は、「本来ならば出会うことのなかった価値同士を媒介し、世の中のさらなる進化発展に貢献し続ける媒体のような存在になりたい」との願いを社名に込めています。また、人々が生み出した叡智である著作物を公正な利用環境のもと、私たちの力でできる限り広く頒布し、著作者に収益を還元するサイクルを実現していくことが当社の使命であり、企業理念です。このように当社グループにとって、社会との調和・相互発展は事業成長と一体不可分であり、自らの事業活動や提供サービスが健全な経済社会の形成に資するだけでなく文化の発展と豊かな社会づくりに貢献するものと考えています。引き続き、役職員が一丸となって積極的に企業活動に取り組み、事業成長につなげるとともに、当社ならではの強みや特長を活かした社会的価値の創出に取り組んでいきます。
著作物の健全なる創造サイクルの実現
著作者、出版社、書店、ユーザー(読者)が安心・信頼して利用できる仕組みの構築を目指して
当社は、電子書籍流通における国内No.1企業として、電子書籍規格の国際標準化活動への寄与、海賊版サイトへの対応、出版のアクセシビリティ研究等、当社を取り巻くステークホルダーが電子書籍を安心・信頼して利用できる環境の整備に取り組んでいます。電子書籍のファイルフォーマットは、IDPF*1によって策定された「EPUB*2」が国際標準として広く利用されています。IDPFは現在、W3Cに統合され、EPUBのメンテナンスもW3Cに引き継がれています。当社はこうした動きに呼応し、W3Cの東アジアホストである慶應義塾大学SFC研究所及び大手出版4社とともに、「Advanced Publishing Laboratory(APL)」を設立し、Webにおける日本語表記の充実や読書のアクセシビリティなど、出版の未来についての研究と教育を推進しています。また、2018年12月にはW3Cに加盟し、傘下のPublishing Business Groupではアジア枠の共同議長を当社グループの社員が務めるなど、電子出版の国際標準規格策定への提言活動をより強化するとともに、欧米以外の文化という視点から出版業界全体のデジタル化を推進しています。
当社の使命は、世の中で良質なコンテンツが継続的に創造される構造、及びそれらをユーザーが安全な環境で安心して利用できる構造を守り続けることです。そのためにも海賊版サイトの問題には率先して取り組んでいます。政府による法律改正も進む中、出版業界では正規版の電子書籍を扱うサイトにABJマークを付与する活動を行ってきました。2020年5月にはABJマークに限らず様々な海賊版対策を行う目的で、「一般社団法人ABJ」が設立され、代表理事に当社の取締役が就任するなど、業界とも一体となって取り組みを加速させています。今後も、当社の電子出版業界におけるポジションに責任と覚悟を持ち、出版社や電子書籍流通事業者、インターネットプロバイダー、通信事業者等とも連携して、海賊版サイトの根絶と、著作者が安心してより良いコンテンツを生み出せる環境づくりに邁進することで、出版業界のさらなる拡大に貢献していきます。
*International Digital Publishing Forum:国際電子出版フォーラム
*Electronic PUBlication:オープンフォーマットの電子書籍ファイルフォーマット規格
地域社会への貢献と地方創生(豊かな社会づくり)